📖第10章 全てを背負う者

📘目次


💼教会財産と貧困対策への着手

そしてグレゴリウスは、彼の真骨頂とも言える、
「教会財産の管理改革と貧困対策(社会政策)」にも乗り出します。

当時教会は、膨大な財産を持っていました。

「え。なんで?」

🤔なぜ教会は金持ちだったのか?

って思いますよね。
ローマ市民が困窮に困窮を重ねている時に、教会がそんなに財産持ってるってどゆこと?って。

理由はその、ローマ市が様々な災難に襲われたからこそなんです。

初めの方。グレゴリウスの家であるアニキウス家が、ローマ市で生き残った理由にも書きましたが。

当時は行政がどんどん機能しなくなる中、援助も期待できず。
教会が帝国の代わりに治安維持や救済を担ったため、人々は「もう教会しか勝たん!」と。土地や財産を教会に寄進するようになりました。

また「死後の魂の救済」を願った信者たちが遺言で、教会に土地や財産を遺贈という習慣が一般化。

これにより教会は、イタリア半島、シチリア、南フランス、北アフリカなどに広大な荘園を所有。

さらに。

イタリアは名目上、ビザンツ帝国(東ローマ帝国)皇帝の支配下でしたが、
遠くコンスタンティノープルからは直接統治できず。
そのため、皇帝はローマ教会に行政や救済を「丸投げ」し、代わりに財産や特権を与えたんです。

広大な土地と財産と権力を握る。もはや宗教組織というより「地主」ですわ。
しかもヨーロッパ最大級の。

そらぁもう金持ってますわ。

💸腐敗と粛清のドラマ

でもね。お金のあるところには汚職が蔓延るんですねー。

その教会の財産を、教会の人間たちが中抜き中抜き。ガッポガッポ自分の懐に入れとったんですわ。

市民が苦しんでるのに金数えてウハウハしとる内部の人間に気付いたグレゴリウスが

「おおんどれらぁ!教会の帝王舐めとったらぁあかんでぇぇぇ!(グラサン)」

「っぎゃあぁぁぁ!すんまっへぇぇぇぇん!!」

と。バッシバシに粛清しまくったんですね。

🏛️グレゴリウスの改革と社会政策

そこからはグレゴリウスの実務者としての能力全開放。

  • 教会の財産を徹底管理
  • 荘園からの穀物で毎日無料でローマ市民にパン配給
  • 孤児・未亡人・病人のために救護施設を設置
  • ローマ市内外のインフラ再建
  • 教育や修道士養成
  • ビザンツ帝国から公務員や兵士への滞っていた給金まで肩代わり

前章で書いた防衛線補強するのにも、ランゴバルド族との和平にも。
とにかくローマ市のために教会のお金をドッカドカ投入したんですね。

これらによってグレゴリウスは、
「教皇=宗教指導者」の枠を超えて
当時の人々にとって “政治・経済・外交・福祉・精神
すべてを背負った総合リーダー になって行きました。

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