📖第9章 和平

📘目次


🛡️グレゴリウス、異民族との交渉へ

そして西暦591年。
グレゴリウスが次に乗り出したのは、ローマ市に迫っていたランゴバルド族の件です。

結論から言うと、グレゴリウスが解決しちゃいます。

「!?」

最近「!?」が多いですよね。

だってアルティメット3状態だから。しかもペストの件で神様の加護までつけちゃってるし。もう最強なんですよ。

ホントに「どこの異世界ファンタジーの勇者様ですか?」って感じになってます。神ってます。

🏰ローマ市を守る決意

当時のローマ市は防御力が低く、
ビザンツ帝国(東ローマ)の援軍は全く期待できない状態。
教皇が「都市の防衛責任者」も兼ねる状況でした。

グレゴリウスは都市の防衛線を急いで補強。
市民の食糧や財産を守るため、教会の財産も惜しまず投入しました。

🤝まさかの直接交渉!?

そしてここからがビックリなのですが。

グレゴリウスはランゴバルド族の王アギルルフやその妃テオデルンダと、「直接」交渉しちゃいます。

当時、グレゴリウスはペストを沈めた奇跡の教皇として、異民族にも評判が広まってました。

当時のランゴバルド族はアリウス派キリスト教徒だったので、グレゴリウスは、

「あなた方もぉ、神の目からは逃れられないんじゃない?
流血沙汰はぁ、うーん。神様好きじゃ無いと思うんだけどぉ?」

と書簡を送り、信仰を盾に揺さぶりをかけました。

あのペストを治めた奇跡の教皇、グレゴリウスからこんな事を言われたもんだから。
ランゴバルド族側も、

「…全面戦争ではなく…話し合いもあり得る…かもねー…」

と、空気が変わるんですね。

✌️和平の成立とビザンツの怒り

そしてグレゴリウスは、これまた教会の財産を惜しみなく使い。
これまでランゴバルド族が占領した土地の支配権を教皇として黙認する事を提示。
代わりにローマ市に危害を加えないよう要求したんです。

そうして和平成立。

事実上の譲歩ですが、
ビザンツ帝国からの支援が得られない以上、これが現実的にローマ市を救ったのです。

当然、ビザンツ帝国はカンカンになって、グレゴリウスを叱責しました。

「イタリアはビザンツ帝国の領土だ!
教皇ごときがかってに外交して和平を結ぶとは何事じゃー!」

グレゴリウスは冷静に言います。

「あなた方がぁ、ローマ市を守るために何をしてくれましたぁ?
私が取った行動は、ローマ市の人々を守るための最善策です。
援軍もなく、都市は飢餓に陥る寸前でした。
その中で和平を結ばずして、どうやって人々を守れと?www」

ビザンツ帝国。何も言い返せず…。

🏛️教皇による外交のはじまり

最終的にグレゴリウスの行動は黙認され、
ローマ市はその後数年間、ランゴバルド族からの攻撃を免れることに。

グレゴリウスはその後、ちゃっかりランゴバルド族の王妃テオデルンダを懐柔しちゃって。
教会の影響力を広めちゃったりしてます。

これによりグレゴリウスは、教皇が外交を行う先例を築いたのです。

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